「石川九楊著作集(全12巻)」発刊

これほど多くの本を書くことになろうとは思ってもみなかった。ただ、ひとりの書の実作者として、もっとも身近な書について、これはいったい何者であるかを、ああでもないと考え、その姿を追い詰めようと心がけてきた。
その過程で「筆触」という思いがけない言葉にであった時、私はいっきに見晴らしのよい地点に導かれた。そこからは、近代・現代の呪縛から解き放たれた書字や文字、日本語、東アジア達の活き活き伸び伸びとした姿が手にとるように見えてきた。
この著作集は、その「書の苑」「文の苑」「言葉の苑」の探訪記である。読者諸兄姉と共にその楽苑を散策できれば、これほどうれしいことはない。

「本著作集の特色」
言葉の生まれ来るところー
一点一画を書字の実作者として凝視しつづけることからその生成の現場と日本文化の深層を解き明かした比類なき〈書字文明学〉の集大成!単行本として刊行された代表作を中心に、テーマ・内容によりジャンル別に構成。各巻の巻末に多彩な執筆陣による書き下ろし「解説」を付す。
判型・造本:A5判・上製カバー装・表紙布クロス・特製美麗貼函入
装幀:各巻毎に石川九楊作品からの装画による著者自装
頁数:各巻平均680頁
定価:各巻本体9000円(税別)
発刊:ミネルヴァ書房
配本:2016年7月9日刊行開始、以降毎月1巻ずつ配本予定

「各巻内容」
1巻:見失った手 状況論
2巻:日本の文字 文字論
3巻:日本語とはどういう言語か 言語論
4巻:二重言語国家・日本 国家論
5巻:漢字がつくった東アジア 東アジア論
6巻:書とはどういう芸術か 書論
7巻:筆触の構造 書字論
8巻:書の風景 作品論
9巻:書の宇宙 書史論
別巻1:完本・一日一書
別巻2:中国書史
別巻3:遠望の地平 未収録論考

特価期間:2016年9月末日=10%off
全巻一時払い特価 税込104,976円
通常価格 揃定価 税込116,640円

[ミネルヴァ書房 営業部]
TEL:075-581-0296  FAX:075-581-0589
E-mail:eigyo@minervashobo.co.jp

〈花〉の構造:日本文化の基層 好評につき重版決定!

万葉集、古今和歌集は云うにおよばず、二十一世紀の流行歌に至るまで、
日本人は〈花〉に四季をそして男女の愛を歌ってきた。
本書は、〈花〉によって読み解く、新しい日本文化論である。

判型・ページ数:4-6・232ページ
定価:本体2,000円+税

 

-これが書だ- 石川九楊展

当展覧会は、制作作品1000点、著作刊行100点への到達を記念し、石川九楊の書の宇宙を広く紹介すべく開催するものです。これまで、東京、京都等で展覧会は多く企画されてきたところですが、今回の展覧会はこれまでの規模をはるかに凌駕するものであり、その恐るべき石川九楊の表現世界の全貌を紹介するものです。石川九楊の書の斬新なスタイルは、近年のデザイン文字に大きな影響を与えるなど広く注目を集めた。石川九楊の作品の以下のような展開をみせてきました。これらを一同に展示したことはなく、本展覧会では、これらの各期の代表作を展覧し、その全貌を社会、世界に発信します。

 

1.初期戦後詩(1970〈25才〉~1980〈35才〉)『エロイ・エロイ・ラマ・サバクタニ』他

2.日本古典文学(1981〈36才〉~1994〈44才〉)『欺異抄18』他

3.源氏物語五十五帖 (2008〈63才〉)

4.第二次戦後詩(1995〈50才〉~2000〈55才〉)『罪と罰』「吉増剛造」他

5.現在批評(2002〈57才〉~2017〈72才〉)『9・11』『3・11』他

6.盃千字文・文房具(陶磁器)

7.小品(ギャラリーにて小品展を開催)

◆日時  平成29年7月5日(水)~7月30日(日) 10:00~17:00

◆会場  上野の森美術館 本館全館、別館ギャラリー