「日本語とはどういう言語か」(講談社学術文庫)
「はるかぜ」というと温かい、「シュンプウ」というと春の風には違いないけれども何かちょっと厳しい感じがするというようなニュアンスの違いを、われわれはごく日常的に感じて生きている。距離感が違い、温度感の違う言葉を使い分ける。日本人は非常に繊細で、表現がニュアンスに富んでいるというが、それは日本人が繊細であるというより、日本語の構造が繊細であるということにすぎない。
日本語は、漢字と平仮名と片仮名の三つの文字からなり、平安中期以降は漢語・漢詩・漢文と和語・和歌・和文つまり漢語と和語との二重複線の歴史をたどった。
アルファベット文化圏の「言語学」では捨象されざるをえなかった、、
東アジア漢字文化圏の書字言語の諸現象。
なかでも構造的にもっとも文字依存度が高い言語といえる日本語の特質を
鋭くダイナミックにとらえた、石川日本語論の決定版。
定価:本体1,080円(税別)
文庫:336ページ
出版社:講談社 (2015/1/10)
言語: 日本語
発売日: 2015/1/10